【コラム】人間の真価が問われている。金メダルより大切なこと。

東京オリンピック4日目、7月26日。柔道男子73キロ級が日本武道館で行われました。
そして、2016年リオデジャネイロオリンピック金メダリストの大野将平選手が金メダルを獲得し、
2連覇を達成しました。

優勝直後の大野将平選手のインタビューから、素敵な言葉を発見しました。

 

「自分をどうしたら倒せるのか、自分自身がどうしたら負けるのか」

素敵な言葉だと思った私は、大野将平選手の軌跡を調べてみました。
そして、心を揺さぶるメッセージを見つけました。

 


我々がやっているのは“柔道”、武道であることを忘れてはいけない。

武道である“柔道”をおこなううえで、いつも思うことは、人間の真価が問われるのは負けたときの姿勢だということだ。

シドニー五輪の大誤審で敗戦し、その後のインタビューで「自分が弱いから負けた」と語った篠原信一先輩の姿勢がまさにそれにあたる。
私は、このときの試合を観て、武士のような潔さを持つ篠原先輩に憧れをもった。

いま、ウズベキスタンでヘッドコーチをしている、“ギリシャの英雄”と呼ばれているイリアス・イリアディス選手もそうだ。 2005年の世界選手権、男子90キロ級の決勝戦。

講道学舎の先輩である泉浩選手と対戦したのは、内戦が起きていていたグルジアからギリシャに17歳で亡命したイリアディス選手。 泉先輩はそれまでずっとイリアディス選手に勝てなかったが、その試合は泉先輩が一本勝ちをした。すると、イリアディス選手は泉先輩の腕を掲げ、「彼こそが王者だ」と称えたのだ。

その試合を現地で観ていた私の講道学舎の恩師が、「あの瞬間に、勝負に勝ったが、イリアディスに人として負けたと思った。お前たちもメダルを取ることだけに執着するような器の小さい人間にはなってはいけない。圧倒的な強さを求めつつも、冷静にたくさんのものを愛せる選手になってほしい」と、塾生だった私たちに伝えてくれた。

イリアディス選手の潔さ。負けてすぐに相手を称えられる器の大きさ。

https://www.theplayerstribune.com/jp/posts/shohei-ono-judo より


 

イライラする毎日…

スタッフとのコミュニケーション。うまくいってますか?
難しいでしょ!

私はコミュニケーショントレーナーという肩書で、コミュニケーションの先生を年間800時間
(コロナ前は1,200時間を超えていました)ほど担当しています。

コミュニケーションを教える立場の私も、社員とのコミュニケーションに苦労しています。

 

私:「あの仕事どうなってる?」
社員:「まだ、手をつけてません」

イライラしますよね。これはまだいい方ですね。

 

私:「1カ月前に頼んだ仕事、どうなってる?」
社員:「それなんでしたっけ…」

「バカヤロー!」と怒鳴りたくなりますよね。

 

イライラするのは仕方がありません。
でもね、怒ったり、怒鳴ったり、逃げたりしたら負けなのです。

大野将平選手の言葉の通りです。

「自分をどうしたら倒せるのか、自分自身がどうしたら負けるのか」

自分が負の感情に負けちゃダメなんです。自分の心に負けちゃダメなんです。
社員を怒ったり、怒鳴ったりしても、問題は解決しないのです。

 

毎日が心のオリンピック!

社員と一緒に仕事をしていれば、日々、イライラすることばかりではありませんか?

イライラする理由は一つ!
自分の期待通りにならないからです。

 

そうです。心以外で問題は起きません。
病気になっても、お腹がすいても、問題は心でしか起きないのです。

シドニー五輪の大誤審で敗戦し、
その後のインタビューで「自分が弱いから負けた」と語った篠原信一選手。
“ギリシャの英雄”と呼ばれているイリアス・イリアディス選手。

彼らは大きな悔しさの中で、事実を受け入れました。相手をたたえました。
彼らは悔しい感情を感じながらも、自らそれを統制したのです。心に勝ったのです。

 

オリンピックで、毎日、盛り上がっている今。
メダルを獲得した選手、残念な結果に終わった選手、
いろいろなドラマが私たちを感動させてくれています。
そして、一つひとつの競技の結果以上に、選手一人ひとりの競技結果への向き合い方が、
私たちに大切なことを教えてくれていると感じています。

 

本来、負けたら悔しさのあまり、相手のことを思いやる余裕などない。
だからこそ本当に、それができる選手は素晴らしいと思う。
いま、私にその器量があるかはわからないが、そうありたいと考えている。

「敗戦したときこそ人間の真価が問われる」

 

社員が思い通りにならない。
集客が伸びない。
利益が上がらない。

このようなことは、敗戦したこととは違います。
それでも、負の感情や考え方になってしまう場合が多いでしょう。

でも、そういう時こそ、私たち人間の真価が問われているのではないでしょうか?

 

  著者:椎名 規夫(しいな のりお)
住宅・リフォーム販促情報局 代表
株式会社エムディー 代表取締役社長
経歴:社団法人取手青年会議所 1999年理事長講演実績:日本郵便(株)、三井住友海上保険会社、中部電力、日本M&Aセンター‎、(株)船井総合研究所、(株)三洋堂書店、日本創造研究所、(独)教職員支援機構、中央労働災害防止協会:大阪安全衛生教育センター、(財)日本品質保証機構、(福)名古屋市社会福祉協議会、東京都教育委員会指定道徳授業地区公開講座、川口市労使講座、長野商工会青年部、静岡県清水建設業協会青年部、千葉県宅地建物取引業協会松戸支部研修、(社)常総青年会議所コミュニケーション研修など、多数。
・全国6万社が加盟する中央労働災害防止協会でコミュニケーション研修担当
・独立行政法人教職員支援機構で全国の小・中、高等学校の教員向けコーチング研修担当
・労働基準監督官(国家公務員)合同研修でメンタルトレーニング・コミュニケーション技術担当
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