【コラム】お勧めの一冊!具体的に競争戦略を解説。

人には教えたくない本があります。

一人ひとりの大切にしていることが違うから、
私にとって重要でも、他の人にとっては価値がないかもしれません。

だから、出し惜しみしても意味がないのですが、
競合する会社には「読まれたくないなぁ!」「こんな知識を共有されたくないなぁ!」と
小さな男に成り下がってしまう名著の紹介です。

 

経営者の必読書

競争戦略。
勝ち負けの繰り返しが早くなり、今日の戦略が明日は通用しない時代です。

その競争戦略について、一橋大学ビジネススクールの楠木建教授が分かりやすく解説した本が
『ストーリーとしての競争戦略 優れた戦略の条件』です。

 

ストーリーとしての競争戦略 優れた戦略の条件
楠木 建(著)

 

この本は、「優れた競争戦略はストーリーとして語られている」というものです。

戦略論というと、概念的な抽象論の域を出ない本が多い中、
この本には、「スターバックス」「サウスウエスト航空」「ガリバー」
「ユニクロ」「ブックオフ」「アスクル」など、具体的なビジネス事例が取り上げられ、
その背後にある競争戦略の論理が丁寧に解説されいる具体的・実践的で分かりやすい本です。

この本自体もストーリーとして、楠木氏が読者に話しかける調子で書かれています。
そのストーリーを最初から最後まで順番に読んで欲しいというのが著者の要望で、
500ページもある大著なので、最初はストレスに感じます。

楠木氏によると、持続的利益を上げるストーリーのある競争戦略の土台には、
人間の根源的な欲求である『コンセプト』が不可欠なのです。

 

ちなみに世界No.1のコーチと言われるアンソニー・ロビンズ氏は、
人間が行動する“6つのニーズ”(6大欲求)を以下のように定義しています。

それは、4つの根源的な欲求と、2つの精神的な欲求があります。

■4つの根源的欲求
1.安定・安心
2.バラエティ(不安定)
3.自己重要感
4.愛とつながり

■2つの精神的な欲求
5.成長
6.貢献

人間は、これら6つのニーズが満たされる場合に行動する。
これがアンソニー・ロビンズ氏の考える人間の6大欲求です。

 

 

人間の根源的な欲求がコンセプト。スターバックスは『第3の場所』

楠木建氏によると、スターバックスのコンセプトは『第3の場所』を売るです。
楠木氏の言葉でそのままお伝えしましょう。


CEOだったハワード・シュルツ氏によれば、スターバックスはコーヒーを売っていません。確かにコーヒーを売っているように見えるかもしれませんが、本当に売っているのは「第3の場所」、サードプレイスなのです。これがスターバックスのもともとのコンセプトです。

1987年当時のアメリカは、レーガン大統領時代です。新自由主義、小さな政府、競争社会、自己責任の時代でした。70年代と比べると、アメリカ社会のテンションが格段に上がってきていました。セカンドプレイス、つまり職場では、コンペティション(競争)をしているふりだけでもしないと、ホワイトカラーの役員でさえ首になってしまう状況でした。また、アメリカ人はファーストプレイス、つまり家に帰っても自分の配偶者の前では一番素敵でなければなりません。もちろん家庭によるでしょうが、日本人とは違います。“I love you, honey”と言うふりだけでもしないと、離婚となってしまいかねないということで、つまり、家庭でもテンションが高いのです。一体どこで休まるのか、という人がたくさんいました。

スターバックスはこうした人たちに、第1・第2の場所に対する、第3の場所を売ることをコンセプトにしました。日常的に30分間駆け込める避難所です。例えば、380円は第3の場所を30分利用し、テンションを下げる料金なのです。もちろんコーヒーも付いてきますが、それはリラックスするのに良いツールだからです。これが、第3の場所を売るというコンセプトでした。


 

勝つには『根源的な欲求』をコンセプトに!

先日、女性の一級建築士と「なぜ、一次取得者は家を建てるのか?」との議論になった。

すると彼女は、「男の人は、ステータスとして家を建てるんじゃない?
どうだ、私はこんな大きな家に住んでいるぞ!というような…。
だからお客様の要望を聞いていると、予算オーバーになっちゃうの!」
確かに、こんなお施主様もいるでしょう。

一方、ハウスメーカーのトップ営業マンに聞いたら、彼は、
「男の人が家を建てる理由は、万が一、自分にもしものことがあったら
家族に経済的な負担をかけたくないから…。
そう思っている素敵な方が多いです」と教えてくれました。

 

アンソニー・ロビンズ氏の人間の6大欲求
1.安定・安心、2.バラエティ(不安定)、3.自己重要感、4.愛とつながり、5.成長、6.貢献
から考えると、前者の女性一級建築士は『3.自己重要感』を満たそうとしたと考えられます。

後者の営業マンは『4.愛とつながり』、そして『6.貢献』を満たそうとしたのでしょう。

これはあくまで私見です。
人生の初めのころは、自分の6大欲求を満たすことで精一杯ではないでしょうか?

私たちは少しずつ、お客様、社員の6大欲求を満たせるようになると思います。
そして、少なくとも持続的に利益を担保するには、顧客の6大欲求を最優先にしなければなりません。

 

  著者:椎名 規夫(しいな のりお)
住宅・リフォーム販促情報局 代表
株式会社エムディー 代表取締役社長
経歴:社団法人取手青年会議所 1999年理事長講演実績:日本郵便(株)、三井住友海上保険会社、中部電力、日本M&Aセンター‎、(株)船井総合研究所、(株)三洋堂書店、日本創造研究所、(独)教職員支援機構、中央労働災害防止協会:大阪安全衛生教育センター、(財)日本品質保証機構、(福)名古屋市社会福祉協議会、東京都教育委員会指定道徳授業地区公開講座、川口市労使講座、長野商工会青年部、静岡県清水建設業協会青年部、千葉県宅地建物取引業協会松戸支部研修、(社)常総青年会議所コミュニケーション研修など、多数。
・全国6万社が加盟する中央労働災害防止協会でコミュニケーション研修担当
・独立行政法人教職員支援機構で全国の小・中、高等学校の教員向けコーチング研修担当
・労働基準監督官(国家公務員)合同研修でメンタルトレーニング・コミュニケーション技術担当
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