『相見積もりにならない!』ホームページからの新築集客
ないないづくしの集客術
- 価格の表示がない
- 性能の提示がない
- 住宅商品の掲載がない
それなのに、新築の集客が増えているという。しかも、相見積もりをしないお客様が多いという事実に驚きを覚える。
なるほど、理にかなっている。なぜなら、私たちは気持ちよく相談できる会社を選びたいからだ。
考えてみれば、美容室、飲食店、スーパーのレジに並ぶときでさえ、私たちは気持ちの良い相手を選んでいる。住宅のような高額な買い物であれば、なおさら当然のことである。気持ちのいい相手は、一目見ればわかる。スーパーレジの担当者で、順番待ちの列の長さが違うのはその通りだ。
「商品」としての住宅への疑問
価格、性能、商品の掲載がホームページにない。それこそが、良いお客様を選ぶ秘訣なのだろう。
価格を表示すれば、単純な比較対象になる。性能もまた比較対象である。そして、住宅というものを、顧客の個人的な視点から見ると、「商品」という言葉の定義自体に違和感を覚える。
以前、ある工務店の社長に「なぜ、家を『商品』として作るのですか?」と尋ねたところ、「商品がないと売れないでしょ!」と言われ、戸惑った。
家は商品だったのか……。
日常で使う「商品」という概念は、アイス、ケーキ、お菓子のようなものである。「商品券が当たった」という言葉は聞いても、それで「家が買える」というイメージは湧かない。
家は、百円均一で売られているコップを「商品」と呼ぶレベルとは、本質的に異なるのではないだろうか。
・モーツァルトの曲は商品か? それは、音楽ではないのか。
・ゴッホの絵は商品か? それは、芸術(絵画)ではないのか。
では、家は商品なのか。
家が担っている役割は、単なるモノの交換価値を超えている。
- 家族が暮らす場
- 成長を喜び、ともに老いる場
- 新しい命を育む場
- 先人から知恵を授かる場
- 見えない命となったものを尊ぶ場
- 帰りたくなる場所
家は、家族がともに生きる場であり、人間の生死をも見届ける存在である。商品という家なら買わない。そんなお客様がたくさんいることを想像できるか。想像できないなら仕方がない。
売る立場と住む立場では、これほどまでに認識が違うものなのか。
価格、性能、住宅商品の表示がないホームページから、相見積もりにならない新規客をWebから集客している。
不思議じゃないか。
そこで、ある工務店の社長に聞いたんだ。すると、ビジネスの基本を教えてもらった。
①お付き合いしたい顧客を明確に決めている
②お付き合いしたい顧客から選ばれる仕組みをつくっている
これが、価格・性能・住宅商品の表示がなくても相見積もりにならない真の理由である。そういうお客様を選び、お客様から選ばれるようにしているのだ。簡単なようだが、時間をかけて培われた知恵である。
時間という命を、お客様も企業も無駄に使いたくない
だからこそ、お客様はホームページで確認したいのだ。「信用できるか」「パートナーにふさわしいか」「長いお付き合いができるか」。
これが確信できれば、価格・性能・品質は、保証されたようなものである。なぜなら、家の価格は打ち合わせをしなければ決まらないからだ。妥当な金額を提示してくれるのか。
それは、建築会社の人柄じゃないのか。
ホームページを見たお客様からは、こんな声があるという。
「ホームページと同じね!」
「ホームページよりお若いわ(年取ってるわね)」
これらは、人相を見ているのだ。人柄を見ているのだ。
だって、一目見れば、その人が本物なのか偽物なのか、本物のお客様にはバレてしまうからだ。
ほら、これこそがホームページ集客の極意である。
本物のお客様は、見てもわからない「価格・性能・品質・商品」ではなく、人柄を見ている。
人生経験を積んだ者なら、一発で見抜く。
ということは、上辺だけじゃダメだということだ。














