経営者のもっとも重要な仕事の一つ『集客』。しかし、顧客は『集客』に興味がない!
お客様が自動的に集まる会社
顧客から探してもらえる自然集客(インバウンドマーケティング)を主流にする企業は、相変わらず不況を知らない。
今日は中古車を販売する会社に打ち合わせに行ってきた。すごい在庫だ。こんなにも売れるものなのかと圧倒される。中古車市場は、大きく二つに分かれるのではないだろうか。一つは、高い新車は不要で、お手頃価格の移動手段としての中古車。もう一つは、古くなるほど価値が高まる中古車だ。1970年の日産プリンススカイラインGTRが5,000万円を超えている。古いホンダ車もびっくりする価格で販売されている。
生きる人間は歳をとるほど味わい深く、豊かな人生になる。車にも同じような魅力があったのだなと思う。この『古くなるほど価値が高まる自動車』というビジネスは普遍だ。古くなるほど希少価値が高まるのだ。
住宅市場に置き換えると、今住んでいる古い家をリフォームして住み続けたいというのも普遍だ。長く住み続けるほど、想いという価値が染みわたっているに違いない。すると、今の家で、長く住み続けるリノベーションも、普遍のUSP(独自の強み)と言えるのではなかろうか。
新築なら、「住み続けるほど好きになる住まい」という往年のキャッチコピーになる。なるほど、「とき」という普遍のキーワードを絡めたキャッチコピーやUSPは、本物を求める顧客を集めてくることになるだろう。
我々、事業を営む者たちの最も重要な仕事が集客だ。そして、顧客は、それに反して集客には全く興味を持たない。持たないどころか、企業側から見る集客という目標がバレると、彼らは嫌悪感を感じるだろう。顧客は、企業の売上・業績に貢献するために存在するのではない。顧客はあくまでも、自分の求める価値を満たしたいだけなのだ。
共通項目を見つける
集客を考えると集客できなくなる理由はお伝えした。それでは、どうすれば上手く集客できるようになるのか。
教育熱心な親がいるとしよう。その親の5歳の子どもはどうだろうか。教育に熱心だろうか。そう、子どもは教育には関心がないものである。じゃ、どうするか。共通項を見つけて、子どもを巻き込むようにするのはどうだろう。たとえば、親子で本の読み聞かせはどうだろう。教育には、言葉の意味や本に興味を持たせることは必須ではないだろうか。そうであれば、親子で本に興味を持たせる楽しさを味あわせることも重要であろう。ほんの一例である。
ツールの見直しは後
集客が危うくなると、どうしても集客ツールのような小手先の対策に走ってしまう。それで上手くいった時代があった。そして、20年前は、その波が大きかった。一度波に乗れば数年は安泰だった。40年前は、一度、集客のトレンドに乗れば10年以上続いた。ところが今。今日成功したツールに、明日もうまくいく保証がないではないか。
その反面、広告しないで集客に困らなくなっている会社が増えている。そして、そのやり方は一つではない。もし、そのやり方が固定していたら、誰でも成功するはずじゃないか。
成功する集客法は、自分で開発するしかないのだ。
インバウンドマーケティング全盛。顧客が自動的に集まってくる。このトレンドは、しばらく変わらずに続くだろう。チャンスだ。
顧客が求める価値との共通項を見つけるんだ。一社一社、異なる顧客との共通項を探し出すんだ。そこに顧客は価値を見出し集まってくるんだ。

著者:椎名 規夫(しいな のりお)
| 住宅リフォームマーケティング情報局 代表 株式会社エムディー 代表取締役社長 経歴:社団法人取手青年会議所 1999年理事長講演実績:日本郵便(株)、三井住友海上保険会社、中部電力、日本M&Aセンター、(株)船井総合研究所、(株)三洋堂書店、日本創造研究所、(独)教職員支援機構、中央労働災害防止協会:大阪安全衛生教育センター、(財)日本品質保証機構、(福)名古屋市社会福祉協議会、東京都教育委員会指定道徳授業地区公開講座、川口市労使講座、長野商工会青年部、静岡県清水建設業協会青年部、千葉県宅地建物取引業協会松戸支部研修、(社)常総青年会議所コミュニケーション研修など、多数。 ・全国6万社が加盟する中央労働災害防止協会でコミュニケーション研修担当 ・独立行政法人教職員支援機構で全国の小・中、高等学校の教員向けコーチング研修担当 ・労働基準監督官(国家公務員)合同研修でメンタルトレーニング・コミュニケーション技術担当 |














